雨 夜
2016-01-27


禺画像]

悲しい夢からさめると
窓はまだ冥(くら)く
かよわくて硬質な雨の音がする

あいづちを待つ人を放って眠れないように
おそらくしばらく眠れないだろう

おもむろに半身をおこして
甘いものが食べたい
と欲しているのはわたしなのだろうか

おもわぬ方向に裂けるチョコレートの銀紙を
もどかしく裂いて ひとかけら
供えるように舌先におく

ほろにがい夢の断片がひらめいては
車窓の街燈のように遠のいて

不明瞭にながれる泪は
誰の歌だろう


















.
[詩]

コメント(全0件)


記事を書く
powered by ASAHIネット